その他(Miscellaneous)シリーズ10 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 47】

十二指腸静脈瘤. Duodenal varices






胆嚢の腫大があるが,壁肥厚と周囲脂肪組織の炎症所見はなく,胆嚢炎ではない.肝臓には多数の肝癌結節が認められるがhemobiliaの所見が認められず,出血の原因とは考えにくい.図8でSMVから派生する側副路の静脈(▲)が示されており,図9〜図13の▲はすべて側副路の静脈である.図13の側副路血管△を頭側へ追跡すると図6でIVCに合流し,腎静脈が合流する部位より尾側の図5と図6のIVCは造影効果を受けている.つまり,▲の側副路は尾側へ下行し,下腹部から図13の△として血流は上行し,図6でIVCへ合流する.図11と図12では↑の静脈は十二指腸(D)内腔へ突出しているように認識され,十二指腸静脈瘤を示唆し,出血部位の可能性が高い.内視鏡検査にて十二指腸静脈瘤が確認された(図A:↑).右内頚静脈アプローチにより十二指腸周囲の静脈瘤に達し,バルーン閉塞下に造影したら十二指腸内へ造影剤の漏出(静脈瘤の破裂)を認めた(図B:△)ので,緊急内視鏡検査を行い,静脈瘤内にヒストアクリルを注入し止血した.






  【参照症例】   1. 【症例 ME 29】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】