前腹壁直下のガスはすべて腸管内ガスで,遊離ガスは認めない.図18の直腸1から逆行性に大腸を追跡してみるが,造影剤を注入されているので追跡は困難ではない.大腸以外の周囲の腸管に糞便状の内容物を含む腸管は存在しないので,骨盤腔内の△は腸管壁を有しないし,腸管外の糞便であり,▲は漏出した造影剤であろう.その糞便貯留の場所から直腸またはS状結腸穿孔と診断できる.腹膜翻転部より肛門側の直腸穿孔を認め,切除とHartmann手術を行った.図Aは切除標本で漿膜側,図Bは粘膜面で↑が穿孔部.病理:perforation及びそれに起因したperitonitis.周囲に真性憩室を認める.穿孔部の病変については明確な診断名は記載されていない.
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