その他(Miscellaneous)シリーズ6 EXPERT COURSE 解答 【症例 ME 27】

下行結腸憩室出血.Bleeding descending colon diverticulosis






図1〜図3の▲は1年前に発症した大動脈解離を示すintimal flapである.下段の図10〜図12で下行結腸(A)と横行結腸(T)は普通便を含み下血の出血源が小腸,右側結腸または横行結腸ではないことを示唆する.下行結腸図3〜図12の△は血腫周囲に貯留したextravasationで,図2,図4と図5で憩室が認められ(↑),下行結腸憩室からの出血と診断できる.輸血10単位を要したがその後自然止血した.






参考症例(下行結腸憩室出血):78歳男性.鮮血性の下血が数回あり来院した.Vital signは安定している.単純CTは撮影されずsingle phaseの造影CTである.
右側結腸は普通便を含み,小腸または右側結腸が出血源ではない.下行結腸は血腫または血液と思われる内容物を含んでいる.↑は憩室で,△はextravasationを示している可能性が高いが,高濃度の便塊を完全には否定できないので,確定診断には比較する単純CTが必要である.double phase造影CTで晩期相で希釈され拡散する所見で確定診断が可能であり,少量出血の発見率を高めるためにもdouble phase造影CTが望ましい.大腸ファイバー検査で下行結腸憩室からの出血が確認されHSE(hypertonic saline+epinephrine)を注入し止血した.







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