その他(Miscellaneous)シリーズ6 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 30】

S状結腸憩室出血.Bleeding sigmoid diverticulosis












上段の単純CTで,直腸からS状結腸へは図12の1〜図4の27へと展開し,普通便を含まない.図8〜図12の↑はS状結腸の憩室を示している.右側結腸(A:上行結腸,C:盲腸)と横行結腸(T)は普通便を含み,出血源が小腸,右側結腸または横行結腸ではないことを強く示唆する.









図13〜図21の造影早期相でS状結腸内に高濃度のextravasation(△)を認め,下段の造影晩期相でそれが希釈され,さらに拡散している(▲)のでS状結腸憩室出血との診断が容易である.輸血4単位を要したが自然止血した.









参考症例(S状結腸憩室出血):86歳女性.鮮血性の下血で来院した.血圧:130/55mmHg,脈拍:85/分.
図1〜図3で盲腸(C)は普通便を含み,小腸または盲腸が出血部位である可能性は極めて低く,下行結腸(D)もガスまたは固形便を含み,血腫らしき内容物を認めないので出血部位はもっと肛門側であろう.直腸からS状結腸の走行は図6の1〜図4の18である.比較する単純CTはないが,図3〜図5の△はextravasationの可能性が極めて高く,図4〜図6の↑は憩室だから,S状結腸憩室の出血である.4日間下血が続いたので手術となり,S状結腸を切除し治癒した.







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