図9〜図20の造影早期相で△はextravasation(造影剤の血管外漏出)を示しており,下段の晩期相では漏出した造影剤が薄くなり拡散しており(▲),典型的なdouble phase造影CTの出血所見である.図20と図32の↑は憩室と思われる.大腸ファイバー検査で直腸とS状結腸に大量の凝血塊と血液を認めたが,右側まで挿入できず出血源は同定できなかった.入院後も下血は続き,血圧が低下してきたので手術となった.CT所見から右側結腸切除を行ったが,上行結腸に出血部位と思われる憩室を認めた(図Aと図B:白矢印).大量下血例で手術が唯一の止血法となる場合,出血部位を確定しておくことは極めて重要なことであり,造影CTが有用である.診断能を高めるため,double phase造影CTが望ましい.
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