大量下血例では出血部位から肛門側は血液の下剤効果により,下血時に便塊は排出されるので普通便のかわりに血腫または血液を認めることが多いので,腸管の内容物で出血部位を推測できる場合が多い.上段の単純CTで↑は憩室を示している.図9〜図12で上行結腸(A)は少量の普通便と共に血腫と思われる内容物を,横行結腸(T)は血腫または血液を示唆する高濃度の液状物とガスを含むので,上行結腸憩室の出血の可能性が極めて高い.下段の造影CTで図14〜図22の△はextravasation(造影剤の血管外漏出)を示し,上行結腸憩室の出血と診断できる.図AのSMA造影と図Bの選択的右結腸動脈造影でextravasation(▲)を認め,コイルで塞栓し(図C:白矢印)止血に成功した.Hbは13.6g/dlから10.4g/dlまで低下したが輸血は不要であった.
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