腹部エコー検査で胆嚢内結石を認め、血清アミラーゼ値が728 IU/Lと高値を示したので胆石膵炎として治療され軽快,腹腔鏡的胆嚢摘出術後退院したが、画像上急性膵炎だろうか? 1.膵臓は尾部(T)、体部(B)と頭部(H)とも腫大はなく、不均一でもない。2.図2〜図14まで脂肪組織の濃度上昇があり(△)、膵炎であれば頭部に限定した膵炎だが膵頭部の造影効果や大きさは正常範囲であり、浮腫の広がりが上下に(頭側から尾側へ)広く、SMAとSMVを中心とした脂肪組織の炎症であり、落下結石と胆石膵炎を完全否定するものではないが腸間膜脂肪織炎mesenteric panniculitisの可能性が高いと判断する。術前の腹部エコー検査と術中胆道造影で総胆管結石を認めなかった。十二指腸炎など膵周囲の炎症が膵臓へ影響して血清アミラーゼが高値を示すことはあり得ることである。
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