図５〜図８で総胆管（CBD）が1cm以上に拡張し，その原因は図９と図１０の総胆管結石（▲）である．肝臓の左葉外側区域が萎縮している，その原因は図２〜図４の肝内結石（△）であり肝内胆管の拡張を伴っている（↑）．図３と図４のXは肝内結石としてはdensityが高すぎ肝実質の石灰化であろう．熱の原因は胆管炎と診断する．図Aは逆行性胆管造影（ERC）で，▲が総胆管結石で，△が肝内結石による閉塞を示している．

参考症例（肝内結石）：糖尿病を食餌療法中の76歳男性．前日からの，39度台の発熱のため来院した．体温：39.1℃，腹部に特記すべき所見はない．図７〜図９は単純CT．
図１〜図５の造影CTで左葉外側区域に胆管拡張（↑）を認めるが，周囲臓器が造影効果を受け，結石は相対的にdensityが減弱するので認識できない．図７〜図９の単純CTで高濃度の結石（△）が描出されている．発熱の原因は結石による胆管炎であろう．10日間の抗生物質投与で解熱した．