その他(Miscellaneous)シリーズ4 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 16】

腹部大動脈瘤破裂.Ruptured AAA(Abdominal Aortic Aneurysm)



全図で左後腹膜腔に巨大な血腫があり(※),図4〜図11の↑は動脈瘤で,図4〜図11の△はextravasation(造影剤の血管外漏出)を示しており,今現在も動脈性出血が起こっていることを意味するので腹部大動脈瘤破裂ruptured AAA(Abdominal Aortic Aneurysm)である.図6と図7の▲が出血部位.CTで診断され2時間後手術室へ転送されたが,手術に至らず死亡した.腹部エコーで診断し,一刻も早く手術すべき状態であり,CT検査を行う余裕はないはずである.






参考症例(腹部大動脈瘤破裂):61歳男性.3時間前突然に腰痛と冷汗が出現し,約10秒間意識を消失した.血圧:140/85mmHg,脈:88/分.圧痛を伴う,拍動性の10cm大の腹部大動脈瘤を触れた.
最大径10cmを超える(図8),両側総腸骨動脈に及ぶ腹部大動脈瘤がある.extravasationを認めないが.図2〜図10の※は後腹膜内血腫であり,破裂と診断すべきである.図1でIVCが虚脱しており重度の循環血液量不足状態である.CT撮影後血圧が低下し始めた.緊急手術で同所見が確認され,人工血管置換術を行い合併症なく経過した.













  【参照症例】   1. 【症例 LR 42】
2. 【症例 GR 37】

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