図13〜図16で左右結腸とも拡張しているので図13の下行結腸1から肛門側へ追跡すると,図20でUターンし,図1でさらにUターンし図5の31となり閉塞する.他方図21の直腸は図20のAから口側へ上行し図6のOとなる.図5の壁肥厚〜図7の病変△は強く,不整に造影され悪性腫瘍であろう.従って診断はS状結腸癌による大腸閉塞となる.▲は壁内気腫である.拡張の程度がさほどではないのに壁内気腫を呈する原因は,図1と図2でIVCが扁平化しており,高度の脱水によるNOMIであろう.このように高度の脱水によるNOMIは決してまれではない.正確にCT診断され大腸ファイバー下に経肛門的減圧を行い,後日根治的手術を行った.手術および病理診断:S状結腸癌,moderately differentiated adenocarcinoma.
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