図3〜図11に、胃を背部から圧排する場所、すなわち網嚢内にやや拡張した、kerckring皺壁を有する(図5)小腸のグループがある(△)。円弧状の滑らかな境界で、いかにも嚢状構造の中に収まった感じを呈し、網嚢内への内ヘルニアを強く疑う。図7と図8の▲の部位が腸間膜血管の収束点だからヘルニアの嵌入部とすれば左傍十二指腸ヘルニアleft paraduodenal herniaとの診断となる。図13はイレウスチューブからの空腸造影で、↑がヘルニア内の上部空腸で左傍十二指腸ヘルニアを強く示唆する。
イレウスチューブ先端がヘルニア内空腸に達し減圧に成功したので症状消失し退院したが、再発すればその時に手術の予定である。
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