図1のガスで拡張した腸管(↑)はcoffee bean signを示し,S状結腸捻転の可能性が十分ある.しかし図20の直腸Aは液状便で拡張しており,S状結腸捻転ではほとんど全例で捻転部位から肛門側は虚脱するので,S状結腸捻転は既に否定的である.頭側へ追跡すると閉塞部位はなく図2のSとなるのでS状結腸捻転は完全に否定された.さらに念のため図5の下行結腸1を尾側へ追跡すると,図2で35となりSと合流する.Ogilvie症候群との診断がつき大腸ファイバー検査は不要である.NPOとし,点滴投与し経過観察した.2日後排便あり腹部膨満は改善した.
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