その他(Miscellaneous)シリーズ3 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 14】

横行結腸脂肪腫による腸重積.Intussusception with lipoma of transverse colon



長軸方向に描出された横行結腸の腸重積である.図5〜図7の↑が重積嵌入部で,図5と図6の▲が虚脱した内筒,図4と図5の△が浮腫を伴った,血管を含む脂肪組織,すなわち腸間膜である.※が重積先進部の原因病変だが,画像が黒すぎるためガスとの鑑別が困難だが,周囲の,ガスを含んだ腸管の壁が不明な部分が多いのと比べると,※を包む腸管壁は明瞭に描出されているので,※はガスではなく脂肪組織,すなわち粘膜下脂肪腫であろうと推測する.図Aは注腸造影で,↑が“カニ爪“状の先進部で,※が原因病変.手術および病理所見:横行結腸粘膜下脂肪腫による腸重積.



参考症例(盲腸癌・重積):88歳女性.9ヶ月前に盲腸癌を指摘されたが手術を拒否した.1ヶ月前からの食欲不振を訴える.
図2〜図4の↑が陥入部で,図5で虚脱した内筒(▲)と血管を含む脂肪組織(腸間膜:△)を含み,典型的な腸重積の所見である.図9〜図11の白矢印が先進部の盲腸癌であるが,圧迫による虚血で浮腫状になり,癌特有な強い造影効果を示さなくなる.












  【参照症例】   1. 【症例 LR 34】
2. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ17 【症例 ER 84】

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