図2の膵頭部の尾側図3から始まる△の小腸係蹄は円弧状の滑らかな境界を呈し、右側に位置し被包化されたように一塊となった小腸係蹄で、いかにも袋の中に収まったグループの小腸で内ヘルニアを疑う。図7と図8の▲の部位で腸間膜とその血管の収束があり嵌入部であるがSMAとSMVの背側を左側から右側へ走行する。さらに図1から十二指腸を追跡すると、図5あたりで追えなくなるがSMAとSMVの背側を左方へ走行するべき十二指腸の平行部を認めない、つまり十二指腸の回転異常を伴う内ヘルニア、すなわち右傍十二指腸ヘルニアRight paraduodenal herniaを強く示唆する。図17が小腸造影で、↑がヘルニア内の小腸で右傍十二指腸ヘルニアの診断がついた。右傍十二指腸ヘルニアは、図18のごとく十二指腸空腸移行部のレベルで十二指腸右側のWaldeyer窩からSMAとSMVの背側で、右側後腹膜へ十二指腸と上部空腸がヘルニアを起こす。左側よりまれである。
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