図1〜図4で胆嚢は短軸が5cm以上に腫大しているが,壁肥厚はなく,周囲脂肪組織の炎症所見もないので急性胆嚢炎ではない.右側結腸(A:上行結腸,C:盲腸)と小腸が主に腸液で拡張しているのは麻痺性イレウスで,何らかの進行した病変を示唆する.盲腸は図14までで,回腸末端(TI)は図8から始まり,めずらしく頭側へ上行する.図12の1から図11の4が外径1cm以上に腫大した虫垂で,急性虫垂炎である.図12のabはa とb となり尾側へ進展する小腸.麻痺性イレウスがあり,図9〜図14まで虫垂からかなり離れた部位まで,広範囲に及ぶ脂肪組織の浮腫(▲)は穿孔を強く示唆する.膿瘍を形成し4日後手術となった.
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