文献考察:出血の程度とvital signs
【研修医のための救急初療マニュアル】 経験すべき症状・病態・疾患 ショック(解説/特集)
Author:桝井良裕(聖マリアンナ医科大学 救急医学), 明石勝也
Source:救急医学(0385-8162)28巻3号 Page287-292(2004.03)
要旨:体重70kgの人で,循環血液量の15%(750ml)以内の出血ではvital signsに変化はでない.出血量が循環血液量の15〜30%(750〜1500ml)で血圧が軽度低下し脈拍が100/分以上になる.出血量が1500〜2000mlで血圧が低下し,脈拍は120/分以上になり,乏尿になる.出血量2000ml以上で血圧は著明な低下を示し,脈拍は140/分以上に,尿は無尿となり,意識状態も混迷または昏睡状態となる.逆に言えば,血圧が90/60mmHgで,脈拍130/分,呼吸数が33/分であれば1500ml以上の出血を意味する.
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