その他(Miscellaneous)シリーズ1 RESIDENT COURSE 解答 【症例 MR 3】

上行結腸憩室出血.Bleeding ascending colon diverticulosis



単純CTの図10〜図12で右側結腸に普通便を認めず,内容物は血腫の可能性が高く,小腸または右側結腸での出血を示唆する.図4〜図9と図13と図14の,上行結腸内の△はextravasationで,図10〜図12で多発性の憩室を認め(↑),上行結腸憩室の出血である.図AはCT撮影直後に行った血管造影で,▲が上行結腸内のextravasation.大量の凝血塊と活動性の出血のため大腸ファイバーによる止血操作は不可能で,血管造影を行い出血部位への右結腸動脈の1分枝をマイクロコイルで塞栓し(図B:△,↑は図Aの造影剤が残っているのでありextravasationが続いているのではない),止血に成功した.その後の経過で腸管壊死を示唆する症状は認めなかった.











参考症例(上行結腸憩室出血):54歳男性.2日前に暗赤色の下血が1回あり,当日にも大量の下血が出現した.Vital signは安定している.造影CTだけ撮影された.
上行結腸内に普通便はなく,血液または血腫を示唆する内容物を認める.多発性の憩室(↑)があり,△はextravasationと思われるが,比較する単純CTがなければ単なる糞便である可能性を完全には否定できない.大腸ファイバー検査で横行結腸からS状結腸にかけて凝血塊を,上行結腸に多発性の憩室を認めたが,すでに止血しており,出血部位は同定できなかった.図Aは注腸造影で,上行結腸に多発性の憩室(▲)を示している.










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