拡張した小腸はgaslessで,図20〜図25で右側と骨盤腔内に腹水がある(※).腸管壁の造影効果は良好なので,通常は単純閉塞と診断するが,図20〜図24の右側の腹水は単純閉塞で,3時間しか経過していないとしては多めであるので図24から追跡してみる.1は図1の空腸70となり上行し,Aは図13のQで閉塞する.すると拡張は軽度だが右側に残った小腸に気づく.図14のa〜図15のl はclosed loopを形成しており,図14に虚脱した小腸があり,図13のQが単純閉塞の始まりである.図15〜図17には腸間膜の浮腫があり,腹水が右側に優位に存在するので簡単に単純閉塞と診断すべきではない.経鼻胃管を挿入し経過観察したが,翌日腹痛の軽減がみられず手術となった.約15cmの回腸がバンドにより絞扼されていたが,壊死はなくバンド切離のみ行い腸管は温存できた.
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