腹水はないが拡張した小腸はgaslessで,図10〜図16の腸間膜に浮腫があり(▲),右側小腸の絞扼性小腸閉塞を疑う.図8にbeak sign(↑)を示し閉塞する腸管a があるが,それを追跡すると図13のz となり,右側腸管とは連続せずさらに頭側へ進展するので単純閉塞の腸管であろう.図10〜図12にも閉塞する腸管1,2,3があるのでそれらを追跡すると,図8の27で閉塞する.図9と図10に虚脱した回腸末端(TI)があり,1〜27の腸管はclosed loopを形成していることが証明された.腹水はなく,壁の造影効果は単純閉塞の腸管に劣らず壊死はない.腹痛が増強したのでその日のうちに手術となった.盲腸から10cmの部位で,約50cmの回腸がバンドにより絞扼されて軽度の虚血所見を認めたがバンド切離で改善し,腸管を温存できた.
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