腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)10 RESIDENT COURSE 解答 【症例 GR 49】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction with necrosis






下腹部で拡張した小腸はgaslessで,図7と図8で左側に腹水があり(※),図8と図9の腸間膜は浮腫を呈している(▲)ので絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図11のAは図8のDで閉塞し,1は図7の9で閉塞する.図7に虚脱した小腸SBがあり,図6のa〜図1のf が単純閉塞の小腸で,closed loopが証明され絞扼性小腸閉塞である.一見壁は造影されているように見えるが,それは壊死に陥り汚染された腸管壁に接する腹膜や腸間膜が充血肥厚している所見なのである.図4〜図6の△は腸管壁から離れており腹膜であることは理解しやすい.腸管壁の造影効果は↑の部分で評価すべきである.図8と図9では△の部分で腸管から離れて走行する(おそらく汚染された腹水があるから).図9と図10ではそのラインが骨盤腔へ進展し,造影された腹膜であることを示している(△).図7〜図9では↑の壁で造影効果を判定すべきである.手術で約20cmにわたり空腸がbandで絞扼され壊死に陥っていた(図A).







  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 5 【症例 LR 22】
2. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 10 【症例 LR 46】

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