文献考察:盲腸軸捻転症
1)【術前診断困難ないわゆる特殊イレウスの診断と治療】 盲腸軸捻転症(解説/症例報告/特集) Author:里見昭(埼玉医科大学 小児外科), 檜顕成, 酒井正人, 谷水長丸
Source:小児外科(0385-6313)32巻12号 Page1271-1275(2000.12)
要旨:結腸軸捻転症の約6%を占める.盲腸の後腹膜への固定不全(移動盲腸mobile cecum)が成人剖検例の11.2%に認められるが,その割には盲腸軸捻転症の発生が低率であることから,他の誘因の関与が指摘されている.腹部手術による癒着,妊娠,精神疾患,便秘,長期臥床などの誘因が報告されている.捻転の形式はvolvulus(図BのA)と盲腸が折り曲がるように屈曲するcecal bascule(図BのB)に分類される.
2)Moore CJ, Corl FM, Fishman EK. CT of cecal volvulus: unraveling the image.
AJR Am J Roentgenol. 2001 Jul;177(1):95-8. PMID: 11418405
要旨:2つの捻転のタイプがある.約半数はaxial volvulusで長軸を軸に時計方向または反時計方向に捻転するもので,盲腸は右下腹部に位置する(下記症例).他の半数はloop typeと呼ばれるもので,この症例のように捻転と同時に頭側へ変位するので捻転した盲腸は上腹部に位置する.
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