腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)9 EXPERT COURSE 解答 【症例 GE 41】

S状結腸癌.Sigmoid cancer






図1でIVCがかなり虚脱しており脱水状態である.左右両側結腸が拡張しているので図2の下行結腸1から追跡すると,図12の19で閉塞し,原因病変は図11〜図8の▲で,よくenhanceされる腫瘤で,S状結腸癌であろう.図7のa〜図16のj が虚脱したS状結腸と直腸,図2のAが回腸末端で,図6のZまでが拡張した回腸である.図Aが翌日行われた注腸造影で,↑が閉塞部位.CE:盲腸.大腸ファイバー検査でS状結腸癌の診断がつき,経鼻胃管を挿入し3日後に手術を予定した.病室で手術待機中に突然激しい腹痛を訴え,開腹したら癌部から8cm口側で穿孔し,腹腔内は多量の便汁で汚染されておりHartmann手術を施行した.術後は敗血症と多臓器不全を合併し死亡した.閉塞性大腸炎に脱水によるNOMIの要素が加わり穿孔を早めた可能性がある.大腸閉塞は,十分な減圧処置がなされていなければ24時間以内に手術すべきである.











  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ17 【症例 EE 82】

 【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】