症例 ER 98 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 98】

Schönlein-Henoch紫斑病



肝周囲とMorison窩に少量の腹水がある(↑)。図7のTreitz靱帯レベルの空腸1から始まる上部空腸の粘膜下浮腫による壁肥厚を呈する病変である(△)。3日後両側の上肢と下肢に点状出血様紫斑が出現し、足関節の腫脹も見られSchönlein-Henoch紫斑病の診断がついた。腎障害はなかった。T:横行結腸






Schönlein-Henoch紫斑病は全身性の細小血管障害に起因し、皮膚症状(100%)、関節症状(50%)と消化器症状(75%)を三主徴とし、腎障害や神経障害を合併し多彩な臨床症状を呈する疾患である。3〜7歳の小児に多く成人での発症は比較的まれである。腹部病変は小腸と大腸に多く、細小血管の攣縮により虚血を起こすためと考えられている。約10%に腸管壊死、穿孔や腸重積などで手術の適応となることがある。

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