最上段の図4で下行結腸(Dc)が拡張しているので図5の1から肛門側へ追跡すると図27の29で閉塞する.その原因は図25〜図28の病変(↑)で,辺縁が不整で強い造影効果を示しS状結腸癌である.図20で上行結腸は最大径12cm以上あり,図13〜図17で壁内気腫(△)を認めるので穿孔を起こしやすい危険因子を二つ示しており,緊急になんらかの減圧法を考慮すべきである.図4のT1〜同図のT53は横行結腸であるが,図14のT43〜図10のT47が拡張を示していない理由は不明.図22のAから回腸末端は始まり上行する.ガストログラフィンによる注腸(図A:▲が癌病変)と大腸ファイバー検査でS状結腸癌を認めた.イレウスチューブの経肛門的挿入を試みたが閉塞部位を通過せず緊急手術となった.盲腸と上行結腸に漿膜と筋層の断裂を認め穿孔寸前の所見を示しており,Hartmann手術が行われた.
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