応用問題(Practical Exercises)32  解答 【症例 P32-1】

アメーバ性肝膿瘍・局所性大腸炎.Amebic liver abscess with localized colitis












図13〜図24は省略.上段の動脈相で高濃度の部分▲は動脈血流が増加している現象で,↑の低濃度の病変が炎症性の病変であることを示唆し肝膿瘍であろう.下段で横行結腸(T1〜T4)と上行結腸(A1〜A12)の強い造影効果を示す壁肥厚は慢性的な炎症(急性病変は粘膜下浮腫を示す場合が多い)を示唆し,下記2症例で述べたようにアメーバ性大腸炎とアメーバ性肝膿瘍の組み合わせを考慮すべきである.経皮的ドレナージで30ccの無臭の,血液混じりの黄色膿が排出されたが培養結果は陰性であった.ABPC/SBT+CLDM投与で解熱した.赤痢アメーバ抗体価(IFA)は入院時200,2週間後→1600と上昇したのでアメーバ性肝膿瘍の可能性が高い.入院中に大腸ファイバー検査を行なうべきであるが,2ヶ月後に施行され異常を認めなかった.その間に自然治癒したアメーバ性大腸炎であった可能性がある.
















  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ7 【症例 ME 33】

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