図1〜図4,図13〜図20と図33以下は省略した.古いCTなので紛らわしいが図9と図10の?は尾側へ追跡すれば遊離ガスではなく脂肪組織であることがわかる.上段の単純CTで胃の外側の▲は筋肉と同等または筋肉以上のdensityを示しているので血腫の可能性が高く,腹水(※)は図5の胃液より高濃度だから血液または血性腹水であろう.
下段の造影CTを逆行性に図32から見ていくと↑の病変は胃壁から発生し図28からは胃内に突出占拠し,胃はわずかな量のガスを示すだけとなる.従って胃壁由来の腫瘍性病変の破裂との診断となる.手術で同所見が確認され,図Aの粘膜側では粘膜下腫瘍(△)を,図Bの漿膜側では破裂した腫瘍(白矢印)を示している.病理所見:inflammatory pseudotumor(炎症性偽腫瘍),炎症の原因は不明,腫瘍細胞を認めない.
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