大腸の拡張は盲腸が9cm,他は6cm以上と定義されるので,上段図13の上行結腸(Ac)と図17の盲腸(Ce)は拡張している.Tc:横行結腸,Ti:回腸末端.図13の下行結腸1は拡張とはいえないが上行結腸と同様な液状内容物は異常所見であり,そこより肛門側の閉塞を意味する.追跡すると図22の34となるが,図23の△が閉塞部位である.図21〜図24の壁肥厚(↑)は均一な低濃度で,癌特有の強い不整な造影効果を示していない.原因は不明だがなんらかの良性病変であろう.大腸ファイバー検査でS状結腸の強い狭窄(図A:↑)を認めたが粘膜は正常でS状結腸自体の病変は否定された.手術所見:S状結腸に複数の憩室を認め,骨盤底に強く癒着し狭窄していた.憩室炎後の癒着と思われた.
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