最上段の腹部単純写真で左上腹部でガスで拡張した小腸(▲)を認める.図Bでは楕円形のグループを形成し,胃を頭側へ圧排するような部位に位置している.CTでは,ガスと液状内容物で拡張した小腸が限局した集簇を作り(↑),一つの袋の中に収まった感じを出す嚢状構造(sac-like appearance)を形成している.嚢を有する(後腹膜への)内ヘルニア,すなわち左傍十二指腸ヘルニアを疑う.図9から十二指腸1を追跡すると図16の10で空腸起始部となり↑のグループに巻き込まれる所見は上記診断を裏付ける.手術で同所見が確認された(図A).
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