上段画像で右側結腸に液状内容物を認めないので拡張した小腸は機械的閉塞である.Gaslessで,腹水(※)と腸間膜の濃度上昇(下段図13〜図16:▲)を認めるので絞扼性である可能性が極めて高い.どこからスタートしてもいいが上段図10で拡張し始める1を尾側へ追跡すると図10の45となり閉塞しclosed loopを形成していることが証明される.図11のaから始まりアルファベット小文字の順に展開し上行するのが口側の単純性閉塞の小腸.図10の45は図9のgとは連結しない.図10のfと図9のgは腸腰筋に接しており同部位に位置している,図9のgは図7のi から”小腸内糞便”(食物残渣)を含み単純性閉塞を示唆するので図10の45はそこで閉塞すると解釈した方が納得しやすい(5mm以下のthin sliceを撮ればそれらの連続性が明白になる).下段の図18のAからGは卵巣嚢腫であろう.いかにも図18でclosed loopを形成しているように見えるが,周囲に拡張した小腸も虚脱した小腸も認めないからである.Re:直腸,図16のs1〜図13のs10はS状結腸.症状の改善がみられないので2日後手術となった.20cm長の回腸が索状物で絞扼されclosed loopを形成し虚血所見を認めたが,band切離で改善し切除は不要であった.
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