1週間前の人間ドックで行われた上部消化管検査のバリウムが大腸に残存している.上段の画像では遊離ガスを認めない.直腸からS状結腸の走行は図22の1から図13の24と展開するので,図14〜図18の↑は腸管外糞便または遊離ガスである.その周囲には脂肪組織の濃度上昇(△)を認める.バリウムまたはガスを含むS状結腸多発性憩室(▲)を認め,S状結腸は壁肥厚を示し,図18〜図21で腹水(※)を認めるので穿孔性憩室炎である.入院後は腹痛が軽減したので抗生剤投与で保存的に治療され,3日後には腹痛消失し,2週間で退院した.かなりの量の糞便が漏出していると思い少なくとも膿瘍が形成され長期の入院治療を予測したが,意外な経過である.
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