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応用問題(Practical Exercises)28(外傷) 解答 【症例 P28-9】
活動性出血のない肝損傷・pseudopneumoperitoneum.Liver injury with no active hemorrhage・pseudopneumoperitoneum
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上段の画像で中心部の白矢印から↑間に両側気胸を認めるが,pseudopneumoperitoneumに気をつける(下記)ことが大事.
上段の早期相の▲は晩期相の△となり大きくなり拡散しているがextravasationではない.早期相で大動脈の造影効果と,晩期相でも下大静脈の造影効果と比べあまりにも減弱している.損傷近辺の動脈は外傷直後はspasmを起こすといわれ,早期相では肝実質は不十分な造影となり,晩期相で十分な造影効果を示す現象である.
下段の図16で腹壁まで広がっている気胸は,いかにも腹腔内遊離ガスに見えるので気をつけるべき現象である.
下段の図22と図23でも紛らわしいガス像を示している.白矢印は明らかに肋骨外側にあるが,↑は胸部から腹部まで下行した,肋骨より内側の,しかし腹膜外のガスで,pseudopneumoperitoneumと呼ばれる現象である(下記症例の解説参照).
肝損傷に関しては大量(1000ml以上)の出血も,明らかなextravasationも認めない.損傷が大きいので血管造影(図Aと図B)が行われたが,extravasationも仮性動脈瘤も認めず塞栓術は行われなかった.Double phase 造影CTでこの2所見を認めない,vital signsが安定しておれば血管造影は不要だと感じている.もちろん厳重な経過観察は必要である.
【参照症例】
1.
日本外傷学会臓器損傷分類2008
2.
外傷(Trauma)シリーズ2 【症例 TE 10】
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