肝損傷があり,上段の高濃度の帯状の▲は“sentinel clot sign”と呼ばれ血腫を意味するので肝周囲の腹水は血液であろう.Single phase 造影CT(下大静脈と腎髄質が造影されているので晩期相)だから断定できないが,↑はextravasationを示している可能性がある.やはりextravasationを正確に診断するにはdouble phase(早期相と晩期相)造影CTは必須であり,この例でも早期相(動脈相)が撮影されておれば活動性の出血(extravasation)が描出されていた可能性が高い.Extravasationはなしと診断され経過観察されたが,4時間後にHbが低下(13.0→7.5g/dl)したので血管造影が施行された.図A〜図Cでextravasation(△)を示しTAE(経カテーテル血管塞栓術)が行われ,以後は順調に経過した.
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