応用問題(Practical Exercises)28(外傷)  解答 【症例 P28-2】

脾臓損傷・仮性動脈瘤.Splenic injury with pseudoaneurysm formation






上段の図2の白矢印は周囲に血腫や血液を認めないので生理的な分葉線であろう.下段図7の▲は周囲に腹水(※:おそらく血液)を伴い,晩期相の図10でも同様に描出されているので損傷である.図8の造影効果の弱い△は晩期相の図11では脾臓組織として認識できるので,損傷近辺の動脈のspasmによる造影遅延現象である.図12の白矢印は脾門部の生理的な切れ込みであろう.下記に続く.












上段の早期相図13と図14の↑は晩期相で図16と図17の白矢印となるが形も大きさも変化しないのでextravasationを伴わない仮性動脈瘤(pseudoaneurysm)である.図15と図19の▲と,図18と図22の△も同様に仮性動脈瘤と診断する.脾臓周囲に大量の血腫や腹水を認めない(少量あり)ことも既に自然止血したことを裏付ける.血管造影が行われた(図A〜図C).






下段の↑と▲は時間の経過と共に大きくなっているように見えるが,上記理由でCT診断は仮性動脈瘤である.塞栓術が行われ以後は順調に経過した.Hb:10.0→9.5g/dl.



  【参照症例】   1. 日本外傷学会臓器損傷分類2008
2. 外傷(Trauma)シリーズ1 【症例 TE 3】

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