肝損傷を認める.上段の早期相図10と晩期相図14でIVCの造影効果にあまり差がない,さらに早期相でIVCが造影されていることは早期相が本来の動脈相より遅く撮影されている,しかも早期相と晩期相の間が20秒しかない(45秒〜60秒が望ましい)ことが原因で,診断を困難にしている.円内の“contrast blush”は早期相と晩期相で大きな変化を認めず,extravasationか,extravasationを伴う仮性動脈瘤か,extravasationを伴わない(既に止血している)仮性動脈瘤かの判断は困難だが,これだけ多数の仮性動脈瘤が形成されることは想像しがたくextravasationを示していると解釈すべきであろう.下段の図17〜図20の↑はIVC周囲の血腫を意味する“pericaval halo sign”を示しており,IVCまたは肝静脈損傷を示唆する所見である.血管造影が施行された.
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