応用問題(Practical Exercises)27(外傷)  解答 【症例 P27-9】

左腎損傷と出血・仮性動脈瘤.Left renal injury with active bleeding・pseudoaneurysm formation








(10mmスライスCTだから)左腎に明白な損傷は認めないが,最上段の図1〜図4で左腎周囲に大量の血腫(※)があり,図1でIVCが扁平化している.早期相で下段の図9の▲は唯一のextravasationであるが,晩期相では図7〜図13で3スライスに大きく拡散している(△).正確な診断がなされず5日後にfollow-up CTが撮影された.
















下段の5日後のCTで左腎周囲の血腫が増大している.TAEを行われなかったので輸血4単位を要した.図31,図32と図33の↑は円形で大動脈と同等なdensityを示しており,通常はこの位置にはこのサイズの動脈は存在しないので仮性動脈瘤(pseudoaneurysm)である.












所見を見逃され放置されたが,2ヶ月後のCTでは消失しており(白矢印),自然に血栓化したものと思われる.




  【参照症例】   1. 日本外傷学会臓器損傷分類2008
2. 外傷(Trauma)シリーズ9 【症例 TR 44】

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