応用問題(Practical Exercises)27(外傷)  解答 【症例 P27-8】

SMVからの大量出血と十二指腸水平部穿孔.Massive hemorrhage from SMV and perforation of horizontal portion of duodenum






全画像で胃背側から膵尾側の後腹膜に大量の血腫(※)を認め,図8でIVCが虚脱している.図12で白矢印はSMVの出血部位を示しており,図12と図13の△はextravasationである.SMVより低濃度なのは周囲の血液で急速に薄まったからであろう.図10〜図18の▲は腸管外遊離ガスで,図16と図17の↑は十二指腸(Du)水平部の壁欠損(穿孔部位)を示している.H:膵頭部.従ってSMVからの大量出血と十二指腸水平部穿孔との診断となる.SMVに流入する空腸静脈が数本断裂し活動性に出血していた.止血操作中にDICと出血傾向が出現したのでガーゼパッキングを施行し閉腹したが,ショックから離脱できず不幸な転帰をとった.2000mlの急速輸液で血圧は触診で80mmHg台ならnon-responderであり,FAST(Focused Assessment with Sonography for Trauma )で肝臓,脾臓周囲とモリソン窩に液貯留を認めたならCTは不要で即手術室へ直行すべきであった.出血量:12600ml









  【参照症例】   1. 日本外傷学会臓器損傷分類2008
2. 外傷(Trauma)シリーズ5 【症例 TE 23】

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