下段で右側結腸は液状内容物を含まない,gaslessの拡張した小腸,腸間膜の濃度上昇(△)と上段の腹水(※)は典型的な絞扼性小腸閉塞である.下段の図21と図22で虚脱した小腸(Sb)を認め,図22の1から拡張し始めるのでそこから追跡すると,数字順に展開し隣の図23の148で閉塞するのでclosed loopを形成していることが証明された.上段の図15の丸数字1から頭側へ展開するのが口側単純性閉塞の小腸.上段の単純CT(図17〜図20)で▲の壁はやや高濃度を示しており出血性壊死の可能性を示唆する.正確に診断され手術となった.血性腹水を認め,拡張した空腸を引っ張り上げたら60cmの空腸が壊死(図A)に陥っていた.腹部手術の既往はなく,またはっきりした索状物を認めなかったが,図Aの境界鮮明な出血性壊死(↑)は絞扼性閉塞を示唆し,引っ張り上げたときに細い索状物がちぎれたのであろう.
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