上段の図17〜図20で右側結腸(白矢印)に液状内容物を認めないので拡張した小腸は機械的閉塞である.下段の図32〜図35で大量の腹水(※)を認めるが,機械的閉塞だと多くの場合絞扼性を意味する.図13〜図16でニボーを形成しない線状の壁内気腫(↑)を認め,二重丸の拡張した小腸の壁は図13と図14の虚脱した小腸(▲)の壁と比較して造影効果を全く認めず壊死に陥った小腸である.このくらい明白な進行性の壊死を認めたら追跡してclosed loopを証明する必要はない.最上段の図6でIVCが扁平化しているのは重度の循環血液量不足を意味し,腸管の壊死を早める危険性をはらむ(参照症例の解説).手術でTreitz靱帯から20cmの部位で160cm長の小腸が270度捻転(図A:△)し壊死に陥っていた(図A:↑).
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