遊離ガスを認めないが,図1〜図4の腹水(※)は,胃または十二指腸に消化性潰瘍があればその穿孔を示唆する.胃には急性潰瘍性病変の特徴である粘膜下浮腫を認めないので十二指腸に注目する.▲は十二指腸球部の粘膜下浮腫を示しており,図8と図9のガス像(↑)は前壁の潰瘍であろう.ここで十二指腸潰瘍穿孔と診断つけばExpert.
下段の翌日のCTで遊離ガス(△)が出現し,腹水(※)も増加した.図27と図28の↑は,十二指腸球部のこの2画像だけに認められる(十二指腸球部内腔にはガスを認めない)ので潰瘍内のガスを示しているものと思われる.図21〜図24は省略した.腹痛と腹部所見も改善しないので手術となり,同所見が確認された.
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