上段のCTで膵(T:尾部,B:体部,H:頭部)周囲に液貯留(▲)と脂肪組織の濃度上昇(△)を認めるので急性膵炎の可能性は確かに高い.図4と図5で胆石を認める.しかし膵臓の腫大を認めない,densityが頭部はやや低下しているが体部と尾部は脾臓と同程度の造影効果を示している,この2点は急性膵炎に否定的な所見である. CTでは総胆管の拡張と総胆管結石を認めないが,翌日乳頭部切開し総胆管結石除去が施行され,一時腹痛と腹部所見が改善した.
第6病日から腹痛が増強し腹部膨満が出現した.この時点で重症膵炎の基準を満たしたので中心静脈カテーテルを留置し全身管理を強化したが,下段の1週間後のCTで膵周囲の液貯留は著明に増加しているが,膵臓そのものは腫大はないし造影効果も低下していないので急性膵炎ではない可能性がある.
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