図9〜図16は省略した.図8で下行結腸(Dc)は虚脱し上行結腸(1)だけ拡張しているので肛門側(便が流れる方向)へ追跡すると図5の4で閉塞する.その責任病変は↑で,不整な造影効果を示し上行結腸癌である.下段で一部の小腸(△)が拡張しているが,回腸末端(Ti)は虚脱しているのでBauhin弁が回腸末端への逆流を妨げている(→盲腸が減圧されない)可能性がある.盲腸穿孔を起こしやすい要因の一つであり要注意である(下記症例).嘔吐がないためNGチューブもイレウスチューブも挿入されず経過観察されたが,2日後嘔吐,腹部膨満と腹膜刺激症状が出現し救急手術となった.回腸末端分岐部直上内側で穿孔し糞便性の腹膜炎を起こしており,回盲部切除が行われた.
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