下段図17のC1が盲腸先端で,腹部中央を上行して図4のC15で正常の位置に戻るので移動盲腸であり,液状内容物を含まないので拡張した小腸は機械的閉塞である.右側の小腸は大部分がgaslessで,図1〜図4の腹水(※)と図10〜図12の腸間膜の濃度上昇(▲)は典型的な絞扼性小腸閉塞の所見を示している.上段の図4から追跡するとAは図16のYで,1も同図の43で閉塞するのでclosed loopを形成している.図16と図17で肛門側の虚脱した小腸(Sb)を認め,口側の単純性閉塞は図17の丸数字1から始まり,数字順に展開する.Closed loopの壁はやや低下しているが造影効果を示しておりまだviableである可能性が高い.正確にCT診断がなされ手術となった.右下腹部で索状物により60cm長の回腸が絞扼されclosed loopを形成していたが壊死はなかった.
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