応用問題(Practical Exercises)22  解答 【症例 P22-3】

ガス産性菌による腸炎.Enterocolitis with gasprodusing bacteria
















1)最上段で肝臓内門脈内ガス(↑)を認める.2)図10と図11の脾静脈内ガス(▲)は脾臓にガスを発生させる病変を認めないので下腸間膜静脈領域の腸管由来の可能性が高い.3)図13〜図16の△はSMV分枝内のガスでSMV領域の腸管由来を意味する.4)図10で脾弯曲部が示されており,そこから下行する左側横行結腸(Tc),下行結腸(Dc)と,図35と図36のS状結腸(Sg)は虚脱し良好な造影効果を示しているので壊死または虚血所見はない.SMV領域にも明らかな壊死所見を認めない(ガスで充満した腸管壁の造影効果は判定不可能).5)最下段の直腸(Re)に下痢便を認める.腸炎を示唆する粘膜下浮腫を認めないが,保存的に第3病日から下痢が止まり腹痛も軽減した経過と上記5所見からガス産性菌による腸炎由来の門脈内ガスであろうと推測する.





















  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)16 【症例 GE 77】

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