上段で↑の盲腸と▲の回腸末端はやや不整な,やや高濃度の造影効果を示し,悪性腫瘍か慢性的な炎症疾患を疑う.下段の図34からは回腸末端口側は粘膜下浮腫による全周性の壁肥厚が主な所見である.回腸末端まで広がる盲腸癌(↑と▲)と閉塞性小腸炎(下記参照症例)か,Crohn病や結核等の慢性炎症性疾患(↑と▲)とその急性増悪(△)が考えられるが,これ以上の診断はできない.S:S状結腸.注腸造影で表面平滑な腫瘤像(図A:↑)を示し,内視鏡検査では腸重積の疑い(図B).回盲部切除が行われ,病理検査で結核と診断された.胸部レントゲン写真では異常を認めなかった.
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