最上段の上行結腸(Ac)の液状内容物は拡張した一部小腸が麻痺性イレウスであることを示唆する.図8から始まるAと図15から始まるBは図20で合流してABとなる膿瘍で,骨盤腔内のCも膿瘍である.上下に追跡すると腸管との連続性がなく盲端になり,壁が造影効果を示している.回腸末端(Ti)は図11から始まり,図16の1〜図23の8は正常虫垂だから虫垂炎の穿孔は否定できる.盲腸と上行結腸に多発性の憩室(↑)を認め,図18〜図21の膿瘍内糞石(▲)は穿孔した憩室から腸管外へ排出されたのであろう.盲腸周辺の膿瘍だから盲腸の穿孔性憩室炎と膿瘍形成との診断となる.側腹部の膿瘍をドレナージしたが,12日目に便汁の排出があり,その翌日敗血症性ショックとなり重症化したがなんとか乗りきり,その後回盲部切除が施行された.
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