応用問題(Practical Exercises)20  解答 【症例 P20-5】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction of small bowel with necrosis
























下段の図25〜図28の液状内容物を含まない右側結腸(△)は拡張した小腸が機械的閉塞であることを強く示唆する.Gaslessで,肝周囲と骨盤腔内に相当量の腹水(※)を認め,上段の図9〜図12で著明な腸間膜の濃度上昇(▲)との3所見は典型的な絞扼性小腸閉塞である.上段の図13〜図16の空腸(J)と比較して右側小腸の壁は明らかに造影効果が悪く,下段の単純CT(図37〜図40)で壁が高濃度を示し,高濃度の内容物は血性であることを示唆するので出血性壊死と診断していいが,確信が持てなければ追跡してclosed loopを証明する.上段の図17と図18で虚脱した小腸(Sb)があり,図16の1から拡張し始める小腸を追跡する(上下に直線的に展開するのは同番号)と,図32の13から29の14,Uターンして図33の15あたりで壁の造影効果が減弱しているため筆者は自信を失う.そこで図15から拡張し始めるもう一つの小腸(a)から追跡してみると図34のSとなり図33の15と連結する.従って,図15のaと図16の1でclosed loopを形成していることが証明された.手術で大網裂孔ヘルニアに嵌頓し壊死に陥った60cm長の回腸を認め切除された(図A).






















  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ4 【症例 EE 19】

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