S状結腸捻転例では捻転部から肛門側は虚脱している場合が圧倒的に多い.筆者は100例近くのS状結腸捻転のCTを経験したが,直腸に相当量の糞便を認めたらS状結腸捻転を99%否定する所見であると信じている.下段画像の直腸は糞便で拡張しているが,図19から逆行性に追跡すると数字順に展開し図14の34となる.図4の下行結腸Aは図14のS状結腸Kまで追えるので,図14近辺で34と連結すると考えればS状結腸の走行に異常所見はなく,捻転部位の狭窄も認めないので宿便(性閉塞)との診断となる.Ogilvie症候群は麻痺性イレウスなので液状内容物を示す.正確に診断され摘便と浣腸で排便あり治癒した.
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