右側結腸は液状内容物を含まない,拡張した小腸はgaslessで,最下段で相当量の腹水(※)を,著明な腸間膜の濃度上昇(均一で境界鮮明なのは腸管膜間の腹水,不均一で境界不鮮明なのは浮腫)を広範囲に認めるので典型的な絞扼性小腸閉塞である.図10と図11で虚脱した小腸(Sb)があり,図11の1から拡張し始め数字順に展開し,図10に戻って69となり閉塞するのでclosed loop形成が証明された.上段の▲が口側の単純性閉塞の小腸と思われるが,起始部とその追跡は不明である.正確に診断され手術となった.血性腹水を認め,虫垂切除後の癒着部と腸管膜間に形成された索状物により,60cm長の小腸が絞扼され虚血状態であったが,索状物切離でviability回復し小腸の切除は不要であった.
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