図1〜図3では遊離ガスを認めない.S状結腸は図14の1〜図20の25である.下段の図16〜図19の脂肪組織(腹壁直下にあるから大網であろう)の濃度上昇(白矢印)は腹膜炎を示唆する.図16の▲は上下の画像で腸管と重ならないので腸管外遊離ガスで,図18の△も遊離ガスで,背側に液貯留を伴うので消化管穿孔を決定づける所見である.最下段の図20と図21の?は図19のS状結腸と重なるので遊離ガスではない可能性が高い.手術でS状結腸穿孔を認め,硬く肥厚した部分(図A)を切除した.↑が穿孔部だが粘膜面に腫瘍性病変を認めない.病理検査で穿孔部は壊死組織で,漿膜下や粘膜下に広範囲に,切除断端から1cm以内まで広がる癌組織を認めた.図14の15〜図20の25までの高濃度の壁肥厚が癌病変であるということ.
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