応用問題(Practical Exercises)17  解答 【症例 P17-4】

急性膵炎・脾梗塞・仮性動脈瘤.Acute pancreatitis・splenic infarction・pseudoaneurysm of splenic artery









上段の図7〜図11で,膵腫大を認めないが,脾臓周囲の腹水(※)と膵背部の脂肪組織の濃度上昇(▲)は膵炎を示唆し,アルコール飲酒歴と膵炎の既往があるのでアルコール性急性膵炎と診断する.図5〜図10の△は脾梗塞を示している.膵周囲の炎症がその支配血管の血栓を生じさせたと思われる.
さて,順調に経過したように思われたが,5日後のCTではどうか? 図15〜図18の白矢印は新しい脾臓の梗塞だが,決して見逃さないでほしいのは図18と図19の動脈瘤(↑)である.破裂すると死亡率の高い膵炎の合併症で,膵炎のFollow-up中に最も留意すべき所見である.活性化した膵酵素(protease)による壁の浸食が原因としていわれるが,形成過程でその末梢は閉塞し新しい脾梗塞が発生したのであろう.血管造影が行われた(下段).









図Aの↑が動脈瘤で,コイル(▲)で塞栓した.下段の図5と図6の膵尾部の腫瘤(△)は経過観察中であるが,エコー検査で増大する傾向はない.








  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ12 【症例 EE 57】

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